潰瘍性大腸炎とは。症状と悪化について
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎という病気は、大腸の表面を覆っている組織がただれたり(びらん)穴が空いて内部の組織が見えてしまっている(潰瘍)といった病変が継続的に続く病気です。
肛門に近い直腸付近から大腸全体へと病変が広がっていきます。
内視鏡検査の写真を見ると、正常なら粘膜に覆われた綺麗なサーモンピンク(笑)の上皮組織が、一面白くなってたり、霜降りみたいになってたりします。
私の場合、直腸と繋がるS状結腸というところまで潰瘍が続いているそうで、その先の下行結腸までは達していないと診断されています。
潰瘍性大腸炎の症状
最も顕著な症状としては、下痢や軟便、どろっとした血が便に混じるといったものがあります。
誰でも一度は、「今日はお腹がゆるくて下痢だ」という経験があるんじゃないかと思いますが、潰瘍性大腸炎の下痢は、ただ便が水っぽいというだけでなく、お腹がどんどん張ってきて我慢がほとんど効きません。
下剤を飲んだ時や、古くなった食べ物にあたった時のような感覚に近いです。
それが程度の差こそあれ、365日休むことなく続くと考えていただければ、大変さが伝わるかと思います。
腹痛や発熱なども起きやすいらしいのですが、私はこの病気が原因と思われる腹痛・発熱は起きたことがありません。
ちなみに、「風邪をひくと症状が悪くなるから、風邪ひいちゃ駄目だよ」と、通院している病院の先生からは毎回のように言われています。
潰瘍性大腸炎の患者数
日本国内では潰瘍性大腸炎の患者数は増加の一途をたどっているそうです。
30年前の1985年には1万2,000人くらいだったのが、2015年には16万人を超えているそうです。
あまりに人数が多く、国の医療費を圧迫しているという理由から、潰瘍性大腸炎を特定疾患から除外するという案が議会でも出されているそうなのですが、同じ潰瘍性大腸炎を持つ阿部首相がその法案を食い止めているんだとか。(先生に聞いた話です)
病気の原因
潰瘍性大腸炎の明確な原因は諸説あるようですが、今のところ良く分かっていないそうです。
アメリカでは人口割合で日本の2倍以上の患者がいることや、日本国内での食の欧米化と比例して患者数が増大していることから、欧米的な食生活が原因ではないかとも考えられてもいます。
あとは、ストレスが起因とも言われていて、病院の先生から「ストレスかけすぎちゃだめだよ」というのも良く言われます。
そうは言っても、社会に生きていく上で、ストレスを感じずに生きていくことは、まずもって不可能です。
僕は好きなことを仕事にしたかったので、かなりハードな仕事の現場に何年もいました。
やりがいのある仕事ができてはいましたが、病状を生活の中でコントロールしながら、毎日夜10時まで仕事をして(残業代もなく)土日も出勤する日々が続く中で、理不尽な上司の言い分でこれまでの作業が水の泡になった時などは、さすがに心身共に困憊となってしまいました。
その時は、便回数も増え、毎回のように便に血が混じっていて、便器が血染めになる時も何度かありました。
みなさんは、選べるのであればストレスの少ない仕事をしたほうが良いかと思います。
遺伝の影響
患者さんの親や親族にも潰瘍性大腸炎を患っている人がいて、遺伝的にこの病気が発症しやすい可能性があるという報告もあるそうですが、その点についても定かではありません。
僕の親戚には潰瘍性大腸炎を患っているという話は聞いたことがありません。
ただ、僕も両親以外には話していないので、もしかしたら同じ病気を患っている親戚がいるかもしれません。
病気の経過・悪化
病状が悪化していくと、便の回数が増える、血便が混じる回数が増える、といった症状に現れます。
私の場合、普通に下痢が出たと思って便器を見たら、洋式トイレの水たまりが真っ赤だった、なんてこともありました。
あと、調子が悪い時期は、毎朝起きると下着が濡れていたりもします。
また、直接の病状ではありませんが、トイレに行く回数が多く肛門が刺激されるため、痔にもちょくちょくなります。一度、会社に出勤できないほどのヒドい切れ痔になったことがあり、まともに座れないほど痛いのに、一日に何度も便が出るので、そのたびに苦痛に顔を歪めていたという経験もしました(笑)
さらに、大腸にずっと潰瘍がある状況から、大腸がんのリスクも高まるのだそうです。
2016/04/21