潰瘍性大腸炎を抱えて MOGU-STYLE

社会人になって潰瘍性大腸炎を患ったMOGUのライフブログ。日々の生活や治療、経験者からのアドバイスなどについて綴っていきます。

これまでの治療状況

潰瘍性大腸炎と診断されるまで

潰瘍性大腸炎の治療
私は潰瘍性大腸炎の症状が発生してから、実際に潰瘍性大腸炎の診断が下るまで、2年以上かかりました。
それまでの診断の状況は「潰瘍性大腸炎の疑いはあるが、明らかにそうだとは認められない」という感じでした。
症状が下痢だけで、血便や腹痛、発熱もなかったことも、明確な診断をくだせなかった理由だと思います。

この頃、薬はサラゾピリンという錠剤の飲み薬を処方されていました。

調子が悪かった時には、サラゾピリンの他にお尻から入れるでっかい浣腸(ステロネマっていう名前だったと思います)も処方されていました。
この薬は寝る前にお尻に入れるのですが、ほとんどの場合、お尻に入れた直後に便意がやってきて、すぐリバースしてしまっていたので、「意味あるんだろうか」と思いながら使っていました。

そして、定期的(半年に一回くらい)に内視鏡の検査をしていました。
お尻の穴からカメラを差し込んで、大腸内の様子を診ます。

当然ながら、特定疾患の医療費助成も受けることができませんでしたので、1回の内視鏡検査で実費で1万円以上の負担があったと記憶しています。
(検査食などの費用も含む)

1年間で支払った医療費が10万円を超えた年もあり、医療費控除(確定申告をして所得税の一部が還ってくる)の申告をした年もありました。

潰瘍性大腸炎の診断を受けてから

潰瘍性大腸炎であるという診断を受けると同時に、この病気に詳しい先生のところで診てもらったほうがいいと言われ、今後はそちらに通うことになりました。

まずは難病の医療費助成を

専門の先生のいる病院に初めて行った時にまず言われたのが、「医療費助成の申請してきたほうがいいよ。検査もあるし、G-CAPやることになったらかなり高額だから」ということでした。
難病の医療費助成は、所得によって毎月支払う金額の上限が決められ、それを超えた場合には、それ以上の支払いが発生しないというものです。

たまたま病院の近くに役所があったので、その日のうちに役所の福祉課へ行って申請のための用紙をもらい、先生に必要事項を記入してもらって手続きまでをしてもらいました。

申請が通って、受給者証が届くまで1ヶ月くらいかかりました。

潰瘍性大腸炎の薬

潰瘍性大腸炎だと認められて、まず処方されたのはペンタサという錠剤の薬でした。

ペンタサは一般的な潰瘍性大腸炎の薬のようですが、私の場合は飲んでも症状の緩和などは感じることができませんでした。

ペンタサを飲み始めたから2年あまりして、自覚症状の変化があまり見られないことから、アサコールという錠剤に変わりました。
アサコールは現首相である阿部晋三氏も服用している薬です。
阿部さんは体調悪化により一時総理の職を辞しましたが、アサコールで症状が回復したため、再び総裁に返り咲いたという話です。

ですが、残念ながら私にはアサコールも「効いてる!」という感覚はありませんでした。
長期的にはじわじわ効いてるのかもしれないのですが、なかなか自覚症状が感じられないため、途中から「別に飲まなくていっかなー」なんて気になって、仕事の忙しさも相まって、半年くらい飲まないでいた時期がありました。
飲まないからといって症状が悪くなるわけでもありませんでした。

ですが、自覚症状と腸内の炎症の具合は必ずしもリンクするわけではないようで、薬を飲まずに半年くらい経ったタイミングで内視鏡の検査を受けた時、「これはちょっと良くない状況だなー。狭窄(肛門の内部が腫れて、便の通る道が狭くなっている)もかなりあるし。注腸薬とかもやったほうがいいかも」と、かなりよろしくない体内状況だったみたいで「実はしばらく薬を飲んでなくて・・・」と白状し、叱られました(笑)

ちなみに、アサコールは表面が茶色いカプセルのようなものでコーティングされていて、ほとんどそのままの形で便と一緒に出てきます。
最初その事を知らなかった私はビックリして、「先生、アサコールそのままお尻から出てきたんですけど?」と聞いたら、「中身はなかったでしょ?」との返答。
なるほどよく見てみると、原型のまま出てきているように見えて、外角の一部が破けて抜け殻のようになっていました。
先に言ってよ〜!

G-CAP

私の場合、飲み薬が症状に効果を発揮しないようなので、薬を飲み続けていても症状が悪化していく時期がありました。
たいてい、仕事での身体的・精神的な負荷が大きい時に症状も悪化するのですが、かといって任されている仕事を放り出すわけにもいきません。

調子の悪い状況が続いている時には、先生の判断でG-CAPという治療を受けました。
G-CAP(顆粒球吸着療法)とは、両腕の静脈に針を刺し、片方の腕から血を抜いて顆粒球吸着器を通し逆の腕に戻すという治療方法です。

顆粒球というのは、体を守る働きをする白血球の一つです。
細菌やウィルスを攻撃するための顆粒球が、正常な体の細胞までも攻撃することによって、腸内の粘膜がただれ、潰瘍性大腸炎が起きると言われているので、血液中の顆粒球を減らすことで腸内を正常な状態に戻すという目的で行われます。

数日ごとに10回連続で行うのが1セットらしく、私の場合は毎週決まった曜日に、10週連続で治療を受けました。
病院についたら、リクライニングの椅子に仰向けになり、両腕に針を刺したら1時間余りそのままです。

「途中でトイレ行きたくなったらどうしよう?」という不安が常にありましたが、過去2セット(合計20回)受けている途中で便意が来ることは一度もありませんでした。
2,3回経験すると慣れたもので、始まって10分くらいしたら終わりまで寝ているということも何度かありました。

麻酔などを使うわけでもないので、治療が終わればすぐに普段通りの生活ができます。
私は午前中に病院へ行って治療を受け、午後から会社へ出勤していました。

G-CAPの効果と費用

さて、このG-CAPの効果についてですが、私は症状の改善が見られました。
治療を受けるごとに一日の便回数が減ったり、血便が出ていたのが出なくなったりしました。
毎回注射を刺されるのは嫌でしたが(笑)、薬を飲んでも効果が感じられなかった分、嬉しかったです。

気になる費用ですが、G-CAP1回あたり150,000円くらいの費用がかかります。
桁を間違っているわけではありません。15万です。
健康保険で3割負担となりますが、それでも4万円超です。
10回やれば、2ヶ月あまりで40万円以上の負担!

そこで、前述の医療費助成です。
助成を受けていれば、毎月の費用負担上限がありますので、
G-CAP1回の4分の1にも満たない支払いで、1ヶ月分の治療を受けることができます。

医療費助成があるとないでは、とんでもない支出の差になるということです。

      2016/05/04

 - 治療や薬、検査